2024.04.11

新築時は美しかった屋根や外壁も年数の経過とともに劣化症状があらわれてきます。しかしひとことで「劣化」といってもその症状によって深刻度はさまざま。
そこで今回は屋根や外壁の劣化症状の原因と対処方法をご紹介します。劣化症状によっては早めの外装リフォームが必要な場合もありますので、ぜひ参考にしてください。

※印刷してご利用いただける「外装リフォームチェックリスト」をお使いになってお家の外装リフォームチェックをしてみてください。

屋根

粘土瓦

古くから神社、仏閣で使われている昔ながらの瓦です。
耐久性が高く塗装を必要としないため、瓦自体のメンテナンスは不要です。
粘土瓦で見られる劣化症状は「漆喰の剥がれ」「瓦のずれ・割れ・欠け」があげられます。

漆喰の剥がれ

原因：経年劣化、風雨、温度変化、強風や地震など

対処：剥がれた箇所の漆喰を詰め直して修復します

瓦のずれ、割れ、欠け

原因：瓦や漆喰の劣化や地震など

対処：ずれたり劣化した瓦を外して葺直します

スレート屋根

スレート屋根はセメントを基材とし、工場で塗装した上で出荷されます。
その塗装が劣化し雨や水分が内部にしみ込むことで、下記のような現象が生じます。
劣化が進み症状が深刻なものになると補修では解決できず、葺き替えとなる場合があります。
スレート屋根の劣化症状には「色褪せ」「苔の発生」「ひび割れ、または反り」があります。

色褪せ

原因：紫外線や雨により表面の塗装が劣化して色褪せします

対処：高圧洗浄後に塗装しなおして補修します

苔の発生

原因：塗装が劣化し水分を吸って苔が発生します

対処：高圧洗浄後に塗装しなおして補修します

ひび割れ、または反り

原因：塗装の劣化により水分がしみこみ、その水分が凍るとひび割れします

対処：該当箇所を交換して補修します

金属屋根

金属屋根は金属に塗装を施した状態で出荷されます。金属屋根の大敵は錆。
錆によって金属屋根に穴が開くと補修では対応できず、葺き替えによる対応となります。
金属屋根の劣化症状は「色褪せ」「サビの発生」「腐食による穴開き」があります。

色褪せ

原因：紫外線や雨により表面の塗装が劣化して色褪せします

対処：高圧洗浄後に塗装しなおして補修します

錆の発生

原因：塗膜の劣化により発生します

対処：高圧洗浄後に塗装しなおします

腐食による穴あき

原因：錆の進行により発生します

対処：葺き替え、またはカバー工法による補修をおこないます

外壁

外壁の種類によって現れる症状が異なります。
ご自宅の外壁の種類がわからない方は、以下の説明を参考にしてください。

外壁の種類について

窯業系サイディング

セメントを主原料とした外壁です。
外壁自体に防水性能はないため塗装で耐水性能を付与しています。塗膜が劣化すると防水性が低下するため適切なタイミングでの補修工事が必要です。

金属系サイディング

薄い金属が素材のため軽量で水を通しずらい外壁です。
表面の塗装が劣化すると錆が発生しやすくなります。

モルタル

外壁材同士の継ぎ目がないためシーリングが必要ありません。
年数の経過とともに塗装の劣化が進み、防水性能が低下します。

ALCパネル

ALC（軽量気泡コンクリート）を板状に形成したものがALCパネルです。
吸水性が高いため外壁表面に施した塗装により防水性を保っていますが、塗膜が劣化すると内部に水が侵入ます。つなぎ目が多くシーリング劣化による水の侵入の危険が高いです。

外壁の劣化症状

チョーキング（外壁にふれると粉のようなものが付着する）

対象となる外壁：窯業系サイディング、金属系サイディング、モルタル、ALC

原因：風雨や紫外線により塗料が劣化し発生します

対処：高圧洗浄後に塗り替えをおこないます

ひび割れ

対象となる外壁：窯業系サイディング、モルタル、ALC

原因：経年劣化、車や電車などの振動、地震、構造上の問題

対処：幅0.3mm未満のヘアークラックは簡易的な補修で対応します。この場合はDIYによる対応も可能です。
幅0.3mm以上の構造クラックは専門業者による診断、補修が必要です。

クラック幅を調べるにはホームセンターで入手できる「クラックスケール」がおすすめです。

シーリングの劣化

該当する外壁：窯業系サイディング、金属系サイディング、ALC

原因：紫外線による変質、地震や風による建物の挙動による剥離

対処：シーリング打ち替え

お家の屋根と外壁を確認してみよう

こちらは今回ご紹介した屋根と外壁の劣化症状をまとめたチェックリストです。

上記チェックリストはダウンロードできるので印刷してお使いください。普段なかなかじっくりと見ることがないご自宅の屋根と外壁の状況をこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。
もし屋根や外壁に気になる劣化症状が見つかり、専門家によるご意見が聞きたい方は松坂屋建材にご相談ください。ご自宅の屋根、外壁のチェックと必要な対処をご提案いたします。お電話またはこちらのフォームからお気軽にご連絡ください。